平林寺山門1(新座市)   F4

 

平林寺境内の紅葉風景です。平林寺は臨済宗妙心寺派の禅僧修行道場です。広大な境内にゆったりと配置された伽藍はスケッチポイントとしても魅力があります。中でも茅葺屋根の総門、山門、仏殿は風情があります。案内によると山門、仏殿は寛文3年(1663年)、岩槻からここ野火止に解体移築されたのだそうです。移築後すでに350年以上の風雪に耐えた建物ですが、創建はさらにそれ以前、岩槻平林寺の開創(1375年)まで遡るのかも知れません。

 

 

平林寺山門2    F4

 

山門を横から見た景色です。入母屋茅葺二層建築の楼門です。この日は雑木林の紅葉には若干早かったのですが、伽藍の周りのモミジなどは見頃でした。こうして見ると静かな境内に見えますが、あちこち参拝者が溢れていました。

 

 

平林寺雑木林    F4

 

平林寺の魅力は、何といっても13万坪もあるという境内林です。昔の武蔵野の面影が残るのは平林寺だけと言われるようになって久しくなりました。クヌギ、モミジなどの落葉樹に赤松が混じる雑木林が、今も平林寺に保存されています。定期的に伐採して薪や炭などに利用することにより雑木林の景観を保っているそうです。訪れたのは12月初めでしたが、広葉樹は色づき始めたばかりでした。逆光に木の葉が透けて見える様が非常に綺麗なので描いてみましたが、このような景観は写真には敵いません。

     

 

平林寺納屋    8F

 

平林寺庫裡の右手に小じんまりと鎮座する茅葺き屋根の納屋です。お針子小屋とも呼ばれているそうですが、何時ごろ建てられたものか定かではありません。壊れた荷車の車輪、梯子、枯れ木などオブジェのように添えられて絵や写真の恰好の題材になっています。もう随分前のことですが夜間に雪の積もった朝、天気も快晴。かねて平林寺の雪景色を描きたいと思っていたので、好期到来と登山靴を履いて電車で平林寺に向かいました。しかし、平林寺に着いたころには路上の雪は大方解けてしまってヌカルミ状態になっておりました。それでも総門、山門、仏殿などの屋根や雑木林の中にはまだ雪が残っておりました。広い雑木林の中を興奮しながら写真を撮りまくったことをよく覚えています。これは、その時に撮った写真を基に描きました。