63.鳥居本宿 (滋賀県彦根市)  近江鉄道鳥居本駅前

 

 

鳥居本宿町並み   F4

 

宿場東の枡形あたりの町並み。正面は江戸時代から続く赤玉神教丸の店(有川製薬)です。道中薬として愛用された万能胃腸薬赤玉を売る店が、鳥居本には何軒もあったそうですが、今でも商いを続けているのはこの店だけになりました。名物の道中合羽を売る店も既になく、一軒の古い商家に看板だけが残っていました。期待して行った鳥居本でしたが、古い家は点在するものの宿場町の風情はこの枡形の前後に僅かに残るだけでした。

 

 

鳥居本駅前   18X26cm

 

前方の赤い屋根は近江鉄道鳥居本駅舎です。鳥居本駅の案内によると近江鉄道は、明治29年(1896)、彦根・貴生川間で開業し、昭和6年(1931)彦根から米原まで延長したそうです。鳥居本駅舎もその時建設され、後年建て替えられましたが、建築様式は当時のままだそうです。駅前のベンガラ塗りの日本家屋とも調和していました。

64.高宮宿 (滋賀県彦根市)  近江鉄道高宮駅より徒歩3分

 

 

高宮宿裏通り    F4

 

化粧川(五社川)沿いの商人屋敷を探している途中で見つけた裏通り。トタンカバーの茅葺屋根も混っています。この道の1本東の通りには細い水路(化粧川)沿いに白壁の塀や土蔵のある商家が並んでいました。高宮宿は街道沿いにも古い商家が点在しますが、宿場中ほどの松本酒店や高宮神社の前あたりに街道の面影が僅かですが残っていました。

 

 

高宮民家    18X26cm

 

細い水路のような化粧川(五社川)沿いの脇道にあった民家です。ベンガラ塗りの門と塀が面白いと思いました。このあたりには白壁の土蔵のある商家が並んでいて、赤い塀はこの家だけでした。近江路に入ってから赤い壁や塀が目に付くようになりましたが、やはり京の影響でしょうか。

65.愛知川宿 (滋賀県愛知郡愛荘町)  近江鉄道愛知川駅より徒歩5分

 

 

近江商人屋敷    F4

 

旧宿場内に僅かに残る近江商人屋敷(旧田中新左衛門邸)。両隣が広い空き地になっているため、この建物だけが目立ちます。現在は旧屋敷をそのまま利用した川魚料理の料亭だそうです。愛知川は、五個荘、近江八幡、日野と並ぶ近江商人の輩出地ですが、街道沿いにその遺構はなく、宿場西のはずれに旧旅籠跡の料亭がありましたが、街道の風情は殆ど残っていませんでした。

五個荘1    F4

 

五個荘竜田町の一角です。愛知川宿を歩いた後、近江鉄道五個荘駅から金堂を目指して歩きました。旧中山道から金堂方面へ向かう道の角に、茅葺屋根の民家がありました。街道側が高い樹木に遮られて全体が見えません。この辺りには茅葺民家がトタンカバーも含めて数軒ありました。右の建物はお堂でしょうか。五個荘駅から金堂までの道順は非常に分りにくく、近くに行くまで道案内の標識もありません。五個荘駅は無人駅でタクシーも居ません。地元では五個荘駅から歩く人を想定していないのでしょう。この場所から金堂までもかなりの距離がありました。駅からだと4kmほどあるようです。駅から歩いたお蔭で、この場所に出会ったので文句は言えませんが。なお公共交通を利用しての五個荘へのアクセスは、JR琵琶湖線能登川駅からバス便があります。

 

 

五個荘2    F4

 

金堂「あきんど通り」です。正面は中江準五郎邸(明治初期から戦前まで朝鮮半島・中国で約20店舗の百貨店を経営。戦前まで本宅を五個荘金堂に置いた)でしょうか。左は勝徳寺の長屋門です。道路の脇には水路があり、清水が流れていました。五個荘へは今回初めて訪れましたが、旧街道から離れた場所にこれほどの商人屋敷群が存在したことじたいが驚きでした。主な近江商人屋敷は内部も公開されていました。(国の重要伝統的建造物群保存地区)