60.柏原宿 (滋賀県米原市) JR東海道本線柏原駅より徒歩5分

 

 

柏原宿町並み    F4

 

柏原は旧い家が多く、美濃路・近江路の中では景観保存に最も力を入れている宿場町です。左は宿場中ほどの町並みです。左の建物は伊吹モグサ店でただ1軒残る亀屋佐京。この日は生憎店は休みで店内に飾られているという有名な福助人形を見ることは出来ませんでした。中山道は前方に向かって緩るい下り坂です。坂道や曲がり道は絵になりますが、何時も難しいなと悩みながら描いています。柏原宿からいよいよ近江路に入ります。

 

 

柏原宿町並み    F4

 

上の画像より少し西の町並みです。伊吹山麓に位置する柏原は、古来より伊吹山のヨモギを原料とするモグサが名産です。今も江戸時代からのモグサ店亀屋左京が営業しています。街道沿いには建替えられた新しい家屋も多いようですが、景観を保つため黒やベンガラで塗装した建物が整然と並んでいます。

61.醒井宿 (滋賀県米原市)  JR東海道本線醒ヶ井駅より徒歩4分

 

 

醒井宿1    F4

 

地蔵川に架かる小さな橋の上から中山道を見た景色です。橋といっても民家の玄関先に架かる私道のようなもので、勝手に渡っていいのか逡巡しましたが、周りに誰も居なかったので、橋の上から写真を撮らせて貰いました。醒井宿は街道に並行して清冽な川があり、両岸の植栽も豊富で非常に涼しげな宿場でした。東のはずれ賀茂神社の下に地蔵川の水源「居醒(いざめ)の清水」がありました。この絵の後方にも池の中に常夜灯のある「十王水」や「西行水」など湧水池がありました。地蔵川は水量も豊かで、綺麗な水にしか生息しないバイカモやハリヨの群棲地だそうです。   

 

 

醒井宿2    F4

 

地蔵川沿いの民家の橋の外側に板をかけ、その上にも鉢植えを飾っています。鉢が川に落ちないように紐で縛り付けてありました。橋は個人の所有物なのでしょうか?京都の上賀茂神社の前にも各戸に橋を持つ「社家の家」がありますが、社家の家は高い塀に囲まれた立派な門の前に石橋があるため、醒井とは全く印象が異なります。上のように醒井は開放的で生活感があります。問屋跡や本陣跡にも橋がありました。

62.番場宿 (滋賀県米原市)  JR東海道本線米原駅前より近江鉄道バスにて番場下車

 

 

 

番場宿田園風景    18X26cm

 

東番場と西番場の間の家並みが途切れたあたりに田畑があり、長閑な農村風景が広がっていました。訪れたのは昨年9月下旬でしたが、稲刈りが早く済んだのか、根株から彦生えが長く伸びていました。

 

 

東番場宿町並み   F4

 

番場宿の東のはずれにある枡形(鍵の手)あたりです。この先で米原道が分かれますが、番場宿は米原港(琵琶湖の水運)や北国街道に通じる宿場として誕生したそうです。宿場は小さな川を挟んで、東番場宿と西番場宿に分かれます。西番場のほうに比較的旧い町並みが残っていました。番場へは米原駅と醒ヶ井駅を往復する近江鉄道バスの便がありますが、昼間の便数が少ないため、米原駅東口から往復ともタクシーを利用しました。

 

 

番場宿町並み   F4

 

 左は西番場宿の西のはずれに近い町並みです。切妻・入母屋妻入り民家が連なる町並みです。破風など建物の一部にベンガラを塗った家も点在します。このほど「中山道69次宿場巡り」を再アップするため撮り貯めた写真画像を整理していて見つけた画像から改めて描いてみました。