33.贄川宿 (長野県塩尻市) JR中央本線贄川駅より徒歩5分

 

 

贄川関所跡    F4

 

贄川宿の西のはずれに復元された贄川関所跡がありました。贄川は木曽路11宿の北端に当たるため、尾張藩が番所を置いて、主にヒノキ細工(ヒノキの曲げ物など加工品)の密搬出を取り締まったそうです。贄川は昭和初期の大火で民家の多くを消失し、西のはずれに袖ウダツ切妻出桁の深沢家住宅が残されているだけでした。宿場には昔からの水場が保存されており、深沢家の前にも水場がありました。時折車を止めて水場でボトルに水を汲んだり顔を洗ったりしています。私もバスを待つ間に水場で顔を洗いましたが、気持ちの良い冷たい水でした。贄川は車の往来も少なく大変静かな町でした。

34.奈良井宿 (長野県塩尻市)  JR中央本線奈良井駅より徒歩1分

 

 

奈良井宿1     F4

 

宿場東のはずれにある鎮神社の階段から見た町並みです。間口が狭く奥行きの長い切妻平入りの町屋が累々と連なっています。僅かですが昔ながらの板葺石置屋根もあります。左手前に少し見えるのが新しくなった水場と高札場です。

 

伊勢屋     F4

 

上町の伊勢屋です。旧脇本陣兼下問屋跡ですが、現在も旅館業を営んでいます。軒下の看板には「諸旅人御休み御泊り所」とあり諸旅人の横に「牛馬」と書いてあります。昔は牛馬宿も兼ねていたのだろうと思われますが、風雪に晒され何度も書き換えられたであろう看板に時の経過と伝統を感じました。1階の反った庇には「猿頭」という波型の桟木が補強されており、捻った針金で二階の格子柱に固定されています。同じような庇は宿場のあちこちに見られ、奈良井宿の建物の特徴の一つだそうです。

 

 

奈良井宿2    F4

 

奈良井宿に北から入ってすぐにこの景色がありました。下町の町並みです。軒の深い出桁袖ウダツの町屋が緩やかな上り坂に沿って変化のある町並みを形成しています。道路が湾曲しているため、高さの異なる屋根の庇が幾重にも重なって見えます。朝早かったので、まだ人出も少なく通りは大変静かでした。

35.薮原宿 (長野県木曽郡木祖村)  JR中央本線薮原駅より徒歩2分

 

 

薮原宿1     F4

 

藪原宿で最も有名な商家、お六櫛問屋「満寿屋本店」です。昔ながらの店構えですが、植木鉢や飾り物を店の前に並べています。資料によるとお六は旅籠の娘で、お六櫛の元祖です。権現様のお告げによって、ミネバリの木で櫛を作り髪を梳いたところ、長年の頭痛がすっかり治ったそうです。それ以来、ミネバリの櫛をお六櫛といい、薮原宿の名産になりました。最盛期には薮原宿住民の7割弱がお六櫛を生活の糧にしていたそうです。

                     

 

 

薮原宿2    F4

 

宿場中ほどの宮川漆器店です。小じんまりした店ですが、美しい連子格子と洗い古した暖簾に惹かれました。