北品川1(東京都品川区) F4
旧東海道品川宿に近接する品川浦の名残り。目黒川河口部に漁船や船宿が僅かに残っています。狭い運河に釣り船などが数珠繋ぎに舫っていました。前方の橋から運河が広くなり両岸に多数の屋形舟も並んでいました。品川浦公園からの眺めですが、公園には珍しい鯨塚(供養碑)もありました。昔は東京湾で捕鯨?と訝しく思いましたが、案内によると、天王洲の浅瀬に乗り上げて動けなくなった大鯨を品川浦の漁師が捕らえたのだそうです。瓦版も出て江戸中大騒ぎになり、大鯨を浜御殿(現浜離宮)に移送して、十一代将軍家斉公の上覧に供したとか。その後、鯨漁とは無縁の地にもかかわらず鯨捕獲の法を定め、鯨を解体して骨をこの地に埋葬したのだそうです。品川浦は人気のハイキングコースらしく何組ものグループを見かけました。
北品川2 F4
品川浦に僅かに残る木造長屋の路地裏です。すでに空き家になっている家もあるようでした。すぐ傍までマンションやオフィスビルが迫ってきています。残して欲しい風景ですが、近年急ピッチに再開発が進む品川駅東地区に隣接している地域でもあり何時まで持ち応えられますか。
天王洲運河 F4
北品川から天王洲アイル駅に向かう途中で見た景色。釣り船や屋形船が舫う先に巨大ビルが林立しています。東京モノレール線・りんかい線天王洲アイル駅前のオフィスビル群です。旧品川浦の名残とJTBビル、日本郵船ビルなど、新旧コントラストが面白い東京らしい風景です。
天王洲水門と練習船 F4
天王洲運河から京浜運河への出口にある天王洲水門。東京モノレール天王洲アイル駅への陸橋から良くみえます。対岸は東京海洋大学です。旧東京水産大学が旧東京商船大学と統合し、東京海洋大学品川キャンパスとなりました。天王洲運河から北は港区なのに品川キャンパスというのは品川駅や京浜急行北品川駅に近いからでしょう。なおJR品川駅と京急品川駅も港区です。対岸にはご覧のように旧い練習線が見えます。このようなアングルですと帆船が桟橋に停泊しているようにも見えますが、実は陸上に保存されている廃船です。
雲鷹丸 F4
東京海洋大学構内の雲鷹丸(うんようまる)を運河沿いの遊歩道から見た景観です。ウィキペディアによると雲鷹丸は旧東京水産大学の前身である水産講習所の2代目練習船として、1909年(明治42年)に建造された米国式遠洋捕鯨船バーク型帆船で、カムチャッカ漁場の開拓と蟹工船事業の開発に活躍したそうです。この型として現存する最後の1艘として、また国産最古の鋼鉄船として国の登録文化財になっています。ウィキペディアには大小20枚の帆を張って航海中の雲鷹丸の雄姿も掲載されています。しかし、今はご覧のように岡に上がった河童ならぬ地面にコンクリートで固着されたモニュメントです。